「外出困難なお年寄り支援」

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北海道新聞取材

訪問理美容5年で倍増

寝たきりなどで外出が困難なお年寄りの自宅や病院、施設に直接出向いて散髪する「訪問理容」「訪問美容」に取り組む理美容店が、札幌市内で増えている。

業界団体によると、計約165店が現在参加しており、5年前と比べて倍増の勢いだ。

高齢化による需要の増加に伴い、業界側も受け入れ態勢を強化する構え。

安全面や衛生面で特殊な知識が必要なため、理美容師を対象にした講習会への参加を呼び掛けるなど、普及に力を入れている。

「外出が難しいので、ありかたい」。札幌市豊平区の自宅を訪れた美容師に散髪してもらい、笑顔を浮かべる長谷さん

「外出が難しいので、ありかたい」。札幌市豊平区の自宅を訪れた美容師に散髪してもらい、笑顔を浮かべる長谷さん

 

「年を取って、病気をしてからは外出が困難。本当にありがたい」。

3ヵ月に1度、札幌市清田区の「札幌訪問理美容センター」から派遣された美容師に自宅で散髪をしてもらう豊平区の長谷公男さん(84)は、笑顔を見せた。

センターは、清田区のコンサルティング会社「アイカンシヤ」 (長谷川幸郎社長)が2014年に慰立。

長谷川社長の母多恵子さん(68)が同区で経営する美容室で、訪問美容のニーズが高まってきたのを受け、理美容師の派遣を専門とする事業に新たに乗り出した。

現在、月に50件ほどの利用があるという。

長谷川社長は

「サロンに来店したくても、病気などで行けない人は多く、今後も需要は増える」

とみる。

 

札幌理容協同組合(約500店)と札幌美容協同組合(約400店)によると、札幌市内で現在、訪問理美容に取り組んでいるのは、理容が約100店、美容が約65店に上る。

手稲区で80年近く店を構える理美容室「HANABISHI」の3代目社長高橋生規さん(39)も月に10回ほど、高齢者宅などを訪問している。

「負担は大きいが、長年通ってくれた顧客への感謝を込めて取り組んでいる」と語る。

 

165店業界が講習、普及

自宅や施設などで行う施術は、技術面や衛生面などで特別な知識が必要だ。

札幌理容協同組合によると、2年に1回開いている組合主催の講習会の参加者も増えており、昨年12月には約50人が参加した。

同組合の桝田利幸専務理事(48)は

「訪問のための専門技術や道具も年々進化している。業界で情報を共有し、保健所主催の講習会に参加を呼び掛けるなど、態勢を強化していきたい」

と話す。

一方、高齢者側の認知度はまだ低く、

「どこの理容室に頼めばいいのか、分からない」

などという介護士や家族からの問い合わせが、同組合に寄せられているという。

 

札幌市は在宅の寝たきりの65歳以上を対象に、1回2千円で年4回まで訪問理美容を受けられる福祉サービスを行っている。

世局齢福祉課によると、近年の利用は年間延べ約400住剛後で横ばいといい、

「対象者は利用してほしい」

と呼び掛けている。

問い合わせは各区役所へ。

申請書・各区役所申請窓口

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